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明治神宮の夫婦楠 Camphor in Tokyo

2本のクスノキが仲よく並ぶ「縁結びの木」  
夫婦円満、家族の幸せを守ります 


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DATA of TREE
▽樹種:クスノキ(クスノキ科・落葉高木) 
▽学名:Cinnamomum camphora 
▽樹齢:約100年
▽樹高:約25m/幹周り:約6m
▽所在地:東京都渋谷区代々木神園町1-1 明治神宮 本殿前

1920(大正9)年、明治神宮が創建当時に献上され、本殿前に植えられた2本のクスノキ。「夫婦楠(めおとくす)」と呼ばれて、縁結び、夫婦円満、家族の健康安全のご加護をくださるご神木として親しまれています。

【木の特徴】
原宿駅から鳥居をくぐり、鎮守の森をのんびり歩いて本殿へと進むと、まんまるい樹冠をしたクスノキが見えてきます。注連縄で結ばれて立つ姿は手をつないだ夫婦みたいです。離れて見ると、こんもりと繁った樹冠はまあるくて、1本のクスノキのように見える姿も、"夫婦一体"の象徴のようです。私が訪れたとき、ちょうど神官さん、花嫁さん花婿さん、家族の方々が夫婦楠の間を通られ、ご縁が強く結ばれていくように見えました。
★この木を見るポイント⇒ 本殿への入口から見ると、まるで1本に見える。近くに寄ると2本が並んで立つ。

【歴史を伝える】
原宿駅の周辺も大きく変わりましたね。久しぶりに行くと、駅から明治神宮への道が少し近くなったように感じました。大きな鳥居をくぐって参道を歩く、両脇に鎮守の森が広がります。ここは人が創った森です。かつては荒れ地だったこの地に森を創ろうと、全国から奉献された約十万本が十一万人もの人々の手によって植えられました。森づくりの計画を立てるにあたり、林学博士の本田静六氏や造園学の祖といわれる上原敬二氏たちが主木に選んだ樹種のひとつがクスノキでした。そのほか、カシ、シイなど、もともとこの地域に生育していた木をメインにしたことで、これほどの緑豊かな森となりました。木々は今では人の手で管理をしなくても、自らの力で成長し、美しい森を保ち続けています。

【夫婦楠の教え】
愛すること、信じること、そして、感謝することをこの2本のクスノキは教えてくれます。あなたと出会えたことに「ありがとう」、そばにいてくれて「嬉しいよ」。時には声に出して、伝えてみませんか?

【この木に会いに行こう!】
JR山手線「原宿」駅から右手すぐの明治神宮境内。本殿の夫婦楠まで徒歩約5分。

【クスノキとは?】
クスノキは"スサノオノミコトの眉毛"。『日本書紀』巻第一神代上に書かれてあるんです。素戔嗚尊(スサノオノミコト)が出雲の国で八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治したあとの様子として。「スサノオノミコトが、ヒゲを抜いて散らすと<スギ>になり、胸毛を抜いて散らすと<ヒノキ>になり、お尻の毛は<マキ>になり、眉毛は<クスノキ>になった」。これらは日本に自生する木々。神さまのカラダから日本の木は生まれたと思うと楽しいですね。

(2009年5月撮影)